世の中には、数えきれないほどたくさんの「職業」、いわゆる「お仕事」がありますね。
どんな仕事をしている人が、何人くらいいるのか?それって日本にいる人のうち、何パーセントの人数なのか?
今回はそんなことを少し見ていきましょう。
予想しながら一緒に考えてみてくださいね。
(数値は2019年の調査をもとにしています)
ちなみに、日本の人口は1億2445万人です。(2023年9月の時点で)
さあ、君の予想は当たるかな…??
①農業・林業・畜産業
みんなが食べているお米や野菜を育てているのは、農業を仕事にしている人たち。
豚肉や牛肉などのおいしいお肉は畜産業をしている人たちが作っているね。
林業は、木を育てて木材を作ったり、山の木々を管理したりするお仕事。
お家にあるテーブルやイスの中に、木で作られたものがあるかな?
それはもともと山に生えていた木だけど、誰でも勝手に木を切って良いわけではなくて、木を育てて切って使えるようにしてくれる専門のお仕事として林業があるんだ。
さて、これら3つのお仕事をしている人たちを合計すると、何人くらいの人がいるでしょうか?
正解は…
208万人。
人口の1.7%の人が、このお仕事をしています。
「%(パーセント)」が分かりにくいよって人は、こう考えてみて。
100人いたら、そのうち1.7人が、この仕事をしているということ。
1.7人だから、1と2のあいだ。だいたい1人~2人として考えてみよう。
日本の100人の人を適当に集めて「何のお仕事をしていますか?」とインタビューした時、1人か2人はこのお仕事をしている人がいる、ということだね。
どうかな、多いと思った?少ないと思った?だいたいこれくらいか~って感じ?
予想と全然ちがっていてもいいよ、「これくらいなんだ~」というその「感覚」をもつことが大事。
それでは次にいこう!
②漁業
これも自然と関係するお仕事だね。スーパーにならんでいるおいしい魚や貝を買って食べられるのは、漁師さんや海女さんなどの漁業をしている人たちが海でとってきてくれるから。
そんな漁業をしている人は何人くらいいると思う?
正解は…
15万人。
人口の0.1%の人。
100人に聞いたら0.1人ってこと。…ちょっと難しいね、10倍にして考えよう。
いいかえると、1000人のうち1人ってこと。
多い?少ない?そんなもん?
だんだん、「感覚」が分かってきたかな?
では次に行ってみよう!
③建設業
家を建てたり、学校やお店やビルを建てたりする仕事。
建物を作っている最中の工事現場を見たことがあるかな?
こうして建物を作ってくれる人たちのお仕事を建設業と言うよ。
そんなお仕事をしている人たちは何人ぐらいいるだろう?
正解は…
499万人。
人口の4%。
一気に数が増えたね!
イメージしてみよう。
日本中にいっぱい建物があって、それを建てたり、壊したり、直したり…
そんな作業が毎日、日本のあちこちで行われている。
大きな建物を作るには、1人や2人じゃ足りないね。1つの工事現場に、たくさんの人がいるのを見たことがある人もいるかな。
仕事に必要な人数が多いから、それだけ働いている人数の多い職業なんだね。
さて次は…
④電気・ガス・水道の仕事
わたしたちの暮らしで毎日使うものをたくわえたり、配ったり、守ってくれる仕事だね。
部屋の電気を付けたり、レンジを使ったり…家で使う電気は、電力会社の人が管理してくれて、電線を通って家に届いているね。
ガスコンロで火を使って料理したり、お風呂をわかしたり。最近は電気を使って同じことができるようになったけれど、ガスを使っているお家はたくさんあるよね。
蛇口をひねればすぐに水が出てくるのも、水道局の人が水をたくわえたり、きれいにしたりしてくれているから。それが水道管を通って家に届いているんだね。
つまり、これらの仕事をしている人たちにお金を払って、私たちは電気・ガス・水道を使っている。
お家の人に、電気のつけっぱなしや、水の出しっぱなしを「もったいない」と注意されたことがあるんじゃないかな?
もちろん「地球にとってよくないから」っていうのもあるけれど、使えば使うだけお金がかかる。だから無駄に使ってはいけないということだね。
電気もガスも水道も、誰かが一生懸命はたらいて、みんなに配っているもの。お金がかかってあたりまえ。だから大事に使っていきたいね。
電気・ガス・水道どれも私たちの生活に欠かせないもの。それをきちんとみんなに届くように働いている人たちがいる。
そんな人たちは、日本に何人くらいいると思う?
正解は…
28万人。
人口の0.2%。
あれ?思ったより少ないな…と思った人もいるんじゃないかな。
さっきの建設業に比べると、かなり少ないよね。
日本中でみんなが使っているものなのに、それについて仕事をしている人の数は少ない。
それはつまり、働いている人数は少ないけれど、人間の代わりにコンピューターなどの機械やシステムが使われているということ。少しの人数でできる仕事とも言えるね。それでも28万人というのは大きな数字だけれどね。
みんなの家に水を人間が届けに行くならすごい数の人が必要だけど、水道管というものを通して届けるなら、そこに人数はいらないよね。
水の量の管理をしたりするために考える仕事をする人は必要だけど、それもコンピューターでできるところは任せたり。
そんな工夫を増やしながら世の中の他の仕事も変化していっているよ。
少し話はずれちゃうけど、「コンピューターができる仕事がどんどん増えて、人間の仕事が減っていく」という話を聞いたことがあるかな?
世の中の仕事が、だんだん「コンピューターや機械に任せられるところはどんどん任せていこう」という流れになっているから、仕事によっては、働く人の数がこれからもっと減っていくかもしれないね。
さて、話を戻して次にいこう。
⑤運輸業・郵便業
つまり物や人を運ぶ仕事だね。
列車や飛行機の運転手は「運輸業」をしている人になるよ。荷物や人を運ぶ仕事だね。
配達の人や郵便局の人は手紙や物を運ぶ仕事をしている。
今はインターネットで商品を注文して家に届く「通販」を使う人も増えたね。
手紙を出す人は以前に比べて減ったかもしれないけど、中古の品物をインターネットで売って別の人に送る人は増えたり。
社会が変化しても、人や物が移動する限り必ず必要になる仕事だね。
今日も日本のいたるところで物が行ったり来たり。町には物をのせたトラックがいっぱい。
では、これらの仕事をしている人は何人くらい?
正解は…
347万人。
人口の3%。
こんなにたくさんの人がこの仕事を支えている。
安全に人や物を運ぶには、機械だけではなく人の力もたくさん必要だからね。
では次にいってみよう!
⑥宿泊業・飲食業
ホテルや旅館などに泊まったことはあるかな?
私たちが家以外で泊まるための場所を準備してくれる宿泊業の人たち。
レストランなど、私たちが食べたり飲んだりするものを作って出してくれる飲食業の人たち。
観光地に旅行に行くと、宿泊できるホテルがずらっとならんでいたり。町にはたくさんの飲食店があるね。
日本中にはものすごい数のホテルやレストランがあって、私たちは「寝る場所」や「おいしい食事」を安心して手に入れることができる。
そんな、日本中にたくさんの職場がある仕事。
働いている人もかなり多そうだけど、はたしてどれくらいの人数だろう?
正解は…
420万人。
人口の3%。
たくさんの人が働いている仕事なんだね。
そしてこの仕事は、みんながお休みの日に働いている人が多い。
お盆やお正月は旅行でホテルに泊まる人が多いから、旅館やホテルは忙しくなる。
土曜日と日曜日は学校や会社がお休みの人が多いから、飲食店も平日より忙しい。
この仕事をしている人の多くは、みんなと休む日や時期をずらしながら働いてくれている。
私たちの生活は誰かの仕事によって支えられているということだね。
この仕事以外にも同じことが言える。
24時間あいているコンビニ。いつでもかけつけてくれる救急車や消防車。
他にも、私たちが休んだり眠ったりしている間に働いている人たちがいっぱいいる。
そうやって、みんなが交代で社会を支えている。
変な例えだけど、たぬきはこれを、コンサートみたいだなって思っている。
日本っていう大きなステージの上で、歌っている人もいれば、お客さんとして見ている人もいる。そして歌う人とお客さんが交代しながらステージを続けていく。ステージがずっと続くようにみんなで協力していく。
自分がお客さんとして休んでいる間は、別の誰かが自分の代わりに歌っていてくれる。
たとえばレストランでゆっくりご飯を食べている時、自分はステージで歌うのを休んでいるお客さん。レストランの店員さんは今まさにステージで歌って仕事してくれている。
そんな時は、「働いてくれてありがとう。また交代するね」と思う。
自分が仕事をしている時、その店員さんはお客さんとしてやってくるかもしれない。
もしくは別の場所で、きっとお客さんになっている。
そんな感じで、仕事っていうのはみんなで交代でやっていく協力プレイなんだよね。
日本と言う国をでっかい一つのチームとして考えたら、なんだかおもしろい。
みんな交代で頑張ろうよってことだね。チーム戦だ。
だからどんな仕事をしている人にも、ありがとうって感謝できたらいいよね。
もちろん自分だって、ありがとうって思われたい。チームだもん。
さて、話を戻して次!
⑦教育・学習支援
子育てや、勉強に関わるお仕事をしている人たちだね。
学校や塾の先生が身近かな?
子どもたちに関わる仕事が多いね。
少子化で子どもが減っていると言われているけれど、どれくらいの人がこの仕事をしているでしょうか?
正解は…
334万人。
人口の3%。
少子化とはいえ、けっこう多いんだ。
なぜか、理由を考えてみよう。
これまで紹介してきた仕事の中には、機械が代わりにやってくれることで働く人の人数が少ないものもあったね。
子どもたちの心を育てたり守ったり、勉強を分かりやすく教えたりすることは、なかなか機械に任せることができない。だからそれだけ人数が必要になるんだね。
それでもまだ、この仕事はとくに人手が足りないと言われている。
少子化で子どもが減っていても、教育にはもっとたくさんの働く人が必要だと言われているんだね。なぜだろう?
それは、もっとたくさんの人の力があれば、もっと丁寧に子どもたちの成長を支えることができるから。今働いてくれている人たちも一生懸命にやっているけれど、人数がまだまだ足りないと考えている人が多いんだ。
子どもたちの成長を支えることは、この社会の未来を支えることだからね。もっともっと丁寧にやるべきだという話が国全体でも話し合われているよ。
では、次が最後!
⑧医療・福祉
医療はお医者さんや看護師さんをイメージする人が多いかな?他にも、お薬にかかわるお仕事なんかもそうだね。私たちの心と体の健康にかかわる仕事をしてくれる人たち。
福祉もそうだね。私たちが困った時に健康的な生活をするために助けてくれる仕事。とくに最近は介護職の人数が増えてきているね。
日本は高齢化が進んでいる。(お年寄りがどんどん増えていっているということ)
誰だっていつかは年を取って、お年寄りになる。そうすると、一人の力で生活するのが難しくなってくる。買い物に行ったり、お風呂に入ったり、そういう今までは自分の力であたりまえにできていたことが難しくなってくる。
今どんなに若くたって、あなたにもそういう時はいつか必ずやってくる。
そんな時に助けてくれるのが介護職の人たち。
これからどんどん高齢化が進んでお年寄りが増えていくと言われている日本では、この介護職の人たちがもっと必要になるし、増えていくと言われているよ。
では、この医療・介護について仕事をしているひとたちは今どのくらいいるでしょう?
正解は…
843万人。
人口の7%。
すごくたくさんの人が働いている。
でも教育の仕事と同じように、この仕事も人手不足が問題になっている。
「人手が足りない」と言われているということは、つまりどういうことだろう?
今働いている人たちは、どんな働き方をしているんだろう?
人数が足りない分の仕事はどうしていると思う?
今いる人数で、なんとかこなしているんだよね。社会を支えるためにはそうするしかないからね。
となると、ちょっと忙しいし、大変な人が多いってことだね。
さっきのコンサートの話で言うと、他の人より長い時間歌っていなきゃいけなかったり、たくさんの歌を覚えなきゃいけない、みたいなことだね。
働く人の働き方をみんな平等にするっていうのはものすごく難しいことで、どの仕事もそれぞれに大変さがあるのだけどね。
さて、今回は8つのパターンに分けて、働く人の数を見ていきました。
どうしてこの仕事をしている人は多いんだろう?少ないんだろう?
と考えてみることで、社会のいろんなことが見えてくるから不思議。
今回紹介した仕事はほんの一部。
世の中にはもっとたくさんの仕事があって、たくさんの働く人がいる。
あなたはどんな仕事をするだろう?その仕事をする仲間はどれくらいいるだろう?
でもどんな仕事も、社会を支える一つのチームなんだよね。
お互い、がんばろうね。
それではまた次回お会いしましょう~
たぬき