みなさん、「平安時代」って知っていますか?
そうそう、小学校の社会の教科書に載っているよね。
大河ドラマで見たり聞いたりした人もいるかも。
今は「令和」の時代。ついこの間まで「平成」の時代でした。その前は「昭和」で…
と、さかのぼっていくと、
今からおよそ1200年前に、この国は「平安」とよばれる時代だったのです。
平安時代というと、こんなイメージを浮かべる人も多いかな?↓
そうそう。平安時代にはこんなふうにきれいな着物を着て暮らしている人たちがいました。
「平安貴族」とよばれる人たちです。
「貴族」っていうのは簡単に言うと、えらい人という意味。
実は、平安時代はみんながきれいな着物を着ていたわけではなくて、一部の「貴族」とよばれるえらい人たちがああいった服装をしていたんですね。
貴族以外の多くの人々はもっと地味な服装をしていました。庶民のたぬきが高級ドレスを着ずにTシャツ着てるのと同じです。
もし平安時代に生まれていたら、どちらかというと、えらくてお金持ちな貴族になりたい…ですよね。
じゃあ貴族になるにはどうしたらいいか。
その答えはなんと……貴族の家に生まれるしかないのです。
貴族とは職業ではないので、なろうと思ってなれるものではないんですね。
私たちが天皇家の一員になりたいなと思ってもなれないのと同じです。
じゃあもし、平安貴族に生まれることができたとしたら。
「やった~!えらくてお金持ちな家に生まれて、一生楽に暮らせるぜ!ラッキー!」
と、思いますよね。
しかし意外とそうでもないんです。
さてここからが今回の豆知識。
「実は平安貴族も楽じゃない?!あなたが平安貴族だったら、これができないといけなかった」
【平安貴族ができないといけなかったこと~男の人編~】
その1…漢詩文が読める、書ける
漢詩文というのは、中国語で書かれた詩のこと。平安時代は、「中国語が分かる=勉強ができる! 仕事ができる!」だったんですね。だから平安貴族の男性は、お仕事として中国語を一生懸命勉強していました。
その2…和歌がよめる
和歌とは簡単に言うと、言葉を組み合わせて短い歌をつくるということ。5・7・5でつくる俳句や川柳にも似ています。和歌をぱっとすぐに作れるのは常識でした。また和歌は恋愛にも役立ちます。この時代は、ラブレターとして好きな人に和歌をおくる文化がありました。上手に和歌がよめると、「すごい!すてきな人!」とモテたわけです。
その3…字がきれい
今のようにスマホやパソコンはないから、仕事でもたくさんの字を書きます。この時代はペンもないから筆です。さらに字がきれいだともう一ついいことが。そう、モテるんです。なぜならラブレターとして和歌をおくる時、紙に字を書いておくるから。きれいな字で書かれたラブレターだと、「きれい!すてき!」とモテました。
その4…楽器がひける
この時代はいくつかの楽器をひくことができる、ということが大事でした。楽器といってもギターやドラムはまだありませんよ。笛や琴、太鼓などの楽器です。貴族が行う儀式の時に演奏したりもするので、お仕事として必要なことでもあったのです。
【平安貴族ができないといけなかったこと~女の人編~】
その1…和歌がよめる、字が上手い、楽器がひける
これらは男性の貴族と同じ。ただし、平安貴族の女性は仕事に使ったのではなくて、常識として必要なことでした。
その2…平仮名が読める、書ける
男の人は漢詩文で漢字を使いますが、この時代の女性は漢字を使わず、ひらがなを使いました。ひらがなが読めることは今はあたりまえですが、学校がなかった当時は、文字が読めたり書けたりすることはすごいことだったのです。
その3…センスがいい
センスがいい、つまりオシャレってことですね。着物の色の合わせ方や、文字を書く時の紙や墨の選び方が上手でないと、立派な貴族とはいえなかったのです。
こういったことが「貴族なんだからできてあたりまえ」とされていたんですね。
だから平安貴族に生まれた子どもは、ちいさい頃から習字や和歌、楽器や中国語の勉強を一生懸命していたわけです。
へえ~…昔の貴族にも意外とそういう苦労があったわけね。
そう思うと、私たちってたくさんの選択肢があります。
絶対に字がきれいじゃなきゃだめ!音楽に興味がなくても琴をひけるようにならないと!なんてことはないですよね。
スポーツが好き、絵を描くのが好き、歌うのが好き。それを趣味にしたり、仕事も自分で選ぶことができる。つまり、生き方を自由に自分で選ぶことができる。
「自由」っておもしろいですよね~。
仕事を「自由に選べる」ってことは、「自分で見つけなきゃいけない」ってこと。
それを大変と思うか、楽しいと思うか。
考えてみるとおもしろいですね。
あなたはどう思いますか?
てなわけで、今回の豆知識は平安貴族の意外と大変な一面を紹介しました。
それではまた次回~